北海道の上田 知晴さんのエッセイ

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北海道の上田 知晴さんのエッセイ - ảnh 1    鶏肉フォー(フォー・ガー)

 越日国交樹立45周年によせて

私が貴国、ベトナムを強く意識したきっかけは今から約40年前のことですが、中学2年生の時の社会科の授業で担当の坂野先生が教えてくださったことがきっかけでした。当時はベトナム戦争がようやく終わり、あの惨禍を二度と繰り返してはならないといったことが叫ばれていた、そんな時代だったように記憶しています。先生が教えてくださったことはこんなことでした。

「みんな、ベトナムって国、判るか。地図帳見てみ。東南アジアで日本に似た形の国があるやろ。この国では、ついこの間まで悲惨な戦争が続いていてん。ようやく平和が戻ったんや。この国は日本と似た形をしているやろ。それだけやないぞ、この国の人は日本人と同じで、とてもまじめによく働くねん。そして、米作りも盛んで、お米が主食なんや。日本とよく似た国でついこのあいだまで戦争が行われてたんや。戦争は絶対にやったら、あかん。」

先生が授業で伝えてくれたのはこんなことでした。でも、先生に言われて地図帳を見て私はびっくりしました。先生のおっしゃる通り、ベトナムの国土と日本の国土の形って、とてもよく似ているのだなとその時に感じました。東北部や紅河デルタ地方が北海道に、北中部は下北半島以下東北地方に、南中部が大きく曲がるあたりは正に日本の本州が関東地方から大きく曲がってくる様に、そして、メコンデルタ地方は日本では四国から九州の海岸線に、そっくりではありませんが、その雰囲気は存分に持っているなと私は今でもそう考えています。先生からこんな風に教えて頂いて、いつも、ベトナムには親近感を抱きながら月日は流れ、私も大人になりました。自分で稼いだお金で自分の好きな物をお店で食べれるようになって、妻と二人でよく食べに行ったのが、あのお米の麺、フォーのお店です。今ではフォーのインスタント麺も販売されていて、ベトナムのお米文化は私達にとってより身近なものになっています。きっと貴局でご紹介された「ハムはさみ餅」もちょっとしたきっかけで、たちまちに日本社会に浸透しそうですよね。

越日国交樹立45周年、もうすぐで半世紀。国土、勤勉性、お米を中心とした食文化、よく似た兄弟のような両国が手をつないで半世紀近く、この後の半世紀はお互いがお互いを補い合える、そんな素敵な半世紀にしましょう。ベトナムの皆様、これからも宜しくお願い致します。

        以上です。ありがとうございました。

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